この日は少し遅めに外出してJR宇都宮線蓮田駅から北東へ1.6km強の場所に向かいました。
概要
「蓮田市堀の内ふるさとの緑の景観地(以後ふるさとの森)」から南に掛けてのこの場所は新井堀の内と呼ばれる城館跡とされ、近年に発掘調査が行われています。
新井堀の内散策

奥に見えるのはふるさとの森。

発掘調査はこの工事に先立って行われました。

城館の来歴についても触れられています。



新井堀の内歴史
この館が築かれた時期は定かでない様ですが、伝承では館林城主赤井家堅の弟である家範が居を置いたと云われている様です。しかし「上野人物志(上野人物誌)」では家堅の次子で兄氏信が討死にした為に家督を継いだとありますので、当地に居を置いた可能性は低そうです。
また同書によれば家堅は丹波国赤井氏の流れで、由良氏に仕える事になった後かつて佐貫館に居を置いていた佐貫氏が断絶したため、由良国繁の勧めで佐貫氏の娘を娶る事で佐貫荘を領したとあります。
また別の伝承として岩槻太田氏の太田資正に仕えた野口多門の館跡とも云われている様で、多門は岩槻城落城後に帰農したとされているそうです。
感想など
ふるさとの森の南にて道路工事に先立って2017年~2018年頃に掛けて発掘調査が行われたそうです。
その結果埋蔵銭や堀跡などが発見されているそうです。ちなみにストリートビューで発掘調査中の様子を見ることが可能です。
ただ「蓮田市文化財情報システム」や「埼玉の中世城館跡」ではふるさとの森を城域としています。森から南に掛けて城域が広がっていたのか、それとも南側に関連施設があったのか定かでありません。森の北には水堀ともされる水路程度の小川が流れている事から、森の中を通る空堀状地形が遺構だったのだとすれば内堀だったのかも知れません。しかし下調べが足りなかったのか、北の水堀らしき小川は目視していません。
参考
埼玉の館城跡
埼玉の中世城館跡
上野人物誌
新井堀の内遺跡 – 埼玉県埋蔵文化財調査事業団
10万〜20万枚の埋蔵銭発見 埼玉・蓮田、1つのかめからは国内最大級 – 産経新聞(2018/3/9)